どうか、どうか。


貴方が困ったように笑うから、私はそこから先が聞けなくなる――。

「……敦賀さんはいつも私を何か言いたそうな目で見てますよね?」

私がそう言うと敦賀さんは驚いたように軽く目を見開いた。
そしていつものように嘘・毒吐き紳士スマイルに変わった。

「…それは最上さんの勘違いじゃないかな?」

それについ、かっ、となって言い返す。
「でも、実際に言いたい事がなかったら、そんな目で人を見ないと思いますっ。それとも、私の思い込みが激しいとでも言いたいんですかっ?!」

そう言うことが言いたいんじゃなくて、何か悩み事があって見てるのなら、話相手にくらいなりたい。
そう言いたいのに、口を付く言葉は違うことばかり。
ショータローに復讐する、と心に誓ったあの日からほんの些細なことで人を疑ってしまう。

「……ほんとに何もないから。気を使ってくれて有難う。」

ごめんね、と困ったように笑う。

「いえ、…何もないならいいんです。こちらこそ偉そうな口きいちゃってごめんなさい。」

頭を軽く下げて、その場を後にしながら思う。
そんな困ったような、先を制止するような笑顔で笑われると、聞いてはいけないことを聞いてるみたいで何も言えなくなる。


ねぇ、敦賀さん。私はそんなに頼りないですか?貴方の秘密を共有するにはちっぽけな存在ですか?
……迷ったとき、困ったとき、貴方に手を貸せない程私は貴方の中で小さな存在ですか?
そんな事、肯定が怖くて聞けないけれど。
私じゃなくてもいい、敦賀さんが心を開いて秘密を共有できる、本当の笑顔を見せられる存在を、
神様、彼に与えてあげて下さい。


その日までに、綺麗に笑える練習をしておきますから―――。







*露がくれました、開設祝いに、って!!(興奮)
*こんなにも素敵文が書けるのにもうスキビの文は書かないとかいいやがるんですよ!
*皆さん、露のサイトで苦情申し立てをしてやって下さい笑
*けど本当にありがとう、露!!(抱きつき)